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野楽蔵

円筒型(3DP+コンクリート)

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ワイナリー名

いろいろ紆余曲折あって

卵形

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ワイナリー名

いろいろ紆余曲折あって

卵形

1が100に成長する姿より
1が100生まれる世界をみていたい

ワインづくりは
テロワールと向き合う農家さん達の
自由で愛に満ちあふれた
自己表現だと思うから

農家さんの想いに寄り添いながら
日本のブドウのまだ見ぬ個性を
もっと深いところから引き出したい

コンクリートという素材で
発酵を科学するプロジェクト

“よっつめのテロワール”

はじまりました
 

■脱ステンレス・環コンクリート?
 ワイン醸造に使用されているタンクは主にステンレス製ですが、近年、タンクの素材として「コンクリート」が見直されているのをご存じですか?

 フランスでは、サンテミリオンのシャトー・シュバル・ブランや、ポイヤックのシャトー・ポンテ・カネといった特級の作り手が先鞭つけ、そうそうたるワインがコンクリートタンクでつくられています。

 米国のナパ・ヴァレーでは、オーガニック栽培のパイオニアとされるフロッグス・リープが地下埋設したコンクリートタンクで醸造し、ピュアなフルーツ感を存分に引き出しています。少し遅れてイタリアでも、ランゲの巨人ボルゴーニュがコンクリートタンクを導入、その動きはイタリア全土へと広がってきました。

 実は、セメントタンクとも呼ばれるコンクリート製の大型タンクは、ワインのバルク製造に使う発酵槽として欧州を中心に広く使われて来ました。ところが1970年代に入ると、扱いやすいステンレスタンクへとあっという間に切り替わり、主役の座を明け渡してしまいました。それが今日、40年余りの時を越えて、当時とはまったく逆の「脱ステンレス/環コンクリート」ともいえる新たな潮流が世界に広がっているのです。ステンレス=最新鋭は過去の話。可能な限りビオなワインをブドウのポテンシャルを引き出すコンクリートタンクで生産してみたい。そんなこだわりの醸造家が確実に増えてきました。

■つくり手は、HOKKAIDOを目指す

 90年近くの歴史を持つコンクリートの総合メーカーである私たちは、コンクリート素材の古くて新しい分野としてワインタンクに着目。米国のソノマ・キャスト・ストーンなど海外のコンクリートタンク専門メーカーとも技術交流し、静かに、潜航しながら、コンクリートタンク製造の準備を進めてきました。

 

 ドメーヌ・タカヒコの曽我貴彦さんが余市町の登地区を舞台に切り拓いたピノ・ノワールが“衝撃波”となり、私たちの故郷である北海道に若くて優秀なつくり手たちが全国から続々と集まり始めたことに、背中を押されたのも理由のひとつです。ブルゴーニュの代表的なつくり手であるドメーヌ・ド・モンティーユが函館進出を決めたと聞いた時には、一瞬耳を疑いました。食の王国「HOKKAIDO」が、次のニューワールドとして台頭するかもしれない、と胸が高鳴るほどでした。

 

 最初にご縁を頂いたのは、ブルゴーニュの本場でブドウづくりから醸造学まで研鑽をつまれた農楽蔵の佐々木賢さん・佳津子さん夫妻。そして、栃木県足利市のココ・ファーム・ワイナリーで多くの後進を育て、日本ワインの“中興の祖”ともいえるブルース・ガットラブさん・亮子さん夫妻でした。

 

 コンクリート製タンクのプロトタイピング(試作)を繰り返しながら、2019年から2021年の間に佐々木夫妻のワイナリーである農楽蔵(北斗市)と、ブルースさんが手掛けるカスタムクラッシュタイプの10Rワイナリー(岩見沢市)で、私たちが試作したコンクリートタンクを使って仕込みをしていただき、コンクリートを母体として生まれたワインの出来栄えに確かな手ごたえを感じることができたのです。

■なぜコンクリートなのか?

 農楽蔵の佐々木賢さんは、コンクリートタンクを使用することで「ワインから角(かど)がとれて深みが増す」と表現します。ブルース・ガットラブさんからは「理想的な発酵曲線を描いている」などの高い評価をいただきました。コンクリートタンクとステンレスタンクの違い。人によって受け止め方や表現は異なりますが、「空気を遮断するステンレスはワインの果実味を委縮させてしまうのに対し、コンクリートは果実味が生き生きとしたまま。同じ畑のブドウとは思えないほどの差を生み出す」といった評価が定まりつつあると言えるでしょう。

 

 コンクリート素材は、①多孔質のため微妙な通気性(酸素透過性)が維持され、ブドウがゆっくりと呼吸できる ②ステンレスに比べて熱を伝えにくく、外気温の影響を受けにくい ③容器素材の香りがワインに移ることなく、中立性を保てる、などの優れた点があります。こうした素材特性に加えて、タンク形状を様々な形にキャスティングできる、タンクの厚みや使用する骨材などの材料を自由に調合でき、ブドウの持つポテンシャルを様々に引き出せるといった魅力があるのです。

■唯一無二のタンクづくり

 私たちが供給するコンクリートタンクは、醸造家の皆さんのそれぞれの想いやブドウの個性を引き出すことを目的にしています。鋼製の型枠を使って製造される規格量産品ではなく、世界にひとつしか存在しない、唯一無二のタンクを提供することにこだわるのはそのためです。

 

 製造技術として、最先端のコンクリート3Dプリンターも積極的に活用します。コンクリート3Dプリンターは産業用ロボットアームを使って速乾性のセメント系材料を積層造形する技術で、鋼製の型枠と異なり自由に三次元のフォルムを印刷することができます。発酵タンクはワインの対流を促す卵形が人気ですが、その膨らみや外観まで醸造家の好みや考え方に合わせて自在にデザインできるのです。

 

 コンクリート3Dプリンターを用いたタンクの納品実績としては、500Lタンク(円筒型)、500L及び1000Lタンク(エッグ型)があるほか、中には木枠と鋼製枠を組み合わせた750Lタンク(アンフォラ型)という変わり種もあります。

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


   (円筒型500L)     (エッグ型500L)    (エッグ型1000L)

                                                               (アンフォラ型750L)


 
■北海道・山梨・長野の三大ワイン産地がコラボ
~9月から科学的アプローチで比較実験開始~

 しかしながら、コンクリートタンクを使ったこれまでの試験醸造では、テイスティングによる主観的な判断や簡単な分析しか行えず、なぜコンクリートタンクがブドウのポテンシャルを引き出せるのか、ステンレスとの違いはどの程度なのか、客観的に判断する材料が乏しかったのも事実です。コンクリートタンクの有用性を把握するためには、比較可能な状態において、コンクリートとステンレスの違いの検証を行うべきだと考え、10Rワイナリーのブルースさんを総合アドバイザリーに、山梨の98WINESさん、長野のTerre de Cielさんに加わっていただき、北海道・山梨・長野の日本三大ワイン産地がコラボする「コンクリートとステンレス」の比較検証プロジェクトをスタートさせました。

 この検証試験は、コンクリート3Dプリンターを用いたエッグ型コンクリートタンク(500L)とステンレスタンク(500L)で比較を行います。葡萄や醸造方法などを同一条件下において、コンクリートタンクとステンレスタンクで醸造したワインの成分分析(有機酸、ミネラル分、PHの変化、溶存酸素量など)を行うほか、生産プロセスごとに細かく違いを比較することで、コンクリートタンクがどのような影響や変化を及ぼすのかを把握します。

 最終的には、専門家による官能評価QDA法を用い、味の評価だけでなく評価法そのものを確立し、コンクリートタンクのスペックとワインの出来栄えの相関性を見つけ出すところまで迫りたいと考えています。データをもとに、仮説、検証を繰り返すことで、科学的な根拠データをベースにしながら、自分が表現したいワインとタンクの在り方を追求できる、そんな世界が実現したら、どんなに素敵なことでしょう。 

 

 私たちがワインタンクを手掛けるきっかけをつくってくれた農楽蔵の佐々木賢さんは、ある時、コンクリートタンクの可能性について「これは第4のテロワールになるかも」とつぶやきました。ワインを生み出すその土地の「気候」「土壌」「地形」をテロワールと呼びますが、骨材やセメントなどローカルで生産される材料を使い、しかも規格生産品ではない、唯一無二の形状のコンクリートタンクは、“よっつめのテロワール”になる可能性を秘めていることでしょう。

ワインは幸せな空間と時間を演出してくれます。多くの農家さんや若者たちが自分流のワインづくりに挑み、自らを自由に表現するお手伝いができたなら、こんなに嬉しいことはありません。

 日本のワイン産業を一歩ずつ育てて行く、終わりのないプロジェクト 
 “よっつめのテロワール”
 その扉をあけてみませんか?

 

■脱ステンレス・環コンクリート?
 ワイン醸造に使用されているタンクは主にステンレス製ですが、近年、タンクの素材として「コンクリート」が見直されているのをご存じですか?

 フランスでは、サンテミリオンのシャトー・シュバル・ブランや、ポイヤックのシャトー・ポンテ・カネといった特級の作り手が先鞭つけ、そうそうたるワインがコンクリートタンクでつくられています。

 米国のナパ・ヴァレーでは、オーガニック栽培のパイオニアとされるフロッグス・リープが地下埋設したコンクリートタンクで醸造し、ピュアなフルーツ感を存分に引き出しています。少し遅れてイタリアでも、ランゲの巨人ボルゴーニュがコンクリートタンクを導入、その動きはイタリア全土へと広がってきました。

 実は、セメントタンクとも呼ばれるコンクリート製の大型タンクは、ワインのバルク製造に使う発酵槽として欧州を中心に広く使われて来ました。ところが1970年代に入ると、扱いやすいステンレスタンクへとあっという間に切り替わり、主役の座を明け渡してしまいました。

 それが今日、40年余りの時を越えて、当時とはまったく逆の「脱ステンレス/環コンクリート」ともいえる新たな潮流が世界に広がっているのです。ステンレス=最新鋭は過去の話。可能な限りビオなワインをブドウのポテンシャルを引き出すコンクリートタンクで生産してみたい。そんなこだわりの醸造家が確実に増えてきました。

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シャトー・シュバル・ブラン

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シャトー・ポンテ・カネ

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