コンクリートタンクカスタマーズファイル no.11
Domaine Bless
納品先:Domaine Bless
(ドメーヌ・ブレス)(北海道仁木町)
Webサイト:https://domaine-bless.com/
形状:エッグ型(3DP+コンクリート)
容量:750L
重量:1,800kg程度
製作期間:2024年 8月~2024年9月
納品日:2024年9月20日
〈出会い〉
ドメーヌ・ブレスとの出会い
ワイン造りには、技術と情熱、そして環境が深く関わる。
北海道・仁木町に拠点を構える ドメーヌ・ブレス 本間裕康・真紀ご夫妻との出会いは、まさにそのすべてが交差する運命的なものだった。
出会いと直感── 仁木・余市にコンクリートタンクを
2021年、本間ご夫妻とコンクリートワインタンクについて初めて話をした。
「この方には絶対に使っていただきたい」
そう確信したのは、北海道のワイン造りの難しさを熟知し、それを乗り越えるポテンシャルを持つ醸造家だったからだ。
彼の名前を知るきっかけは、ワインジャーナリスト・鹿取さんが本間さんの醸造免許取得を取り上げたFacebookの投稿だった。
さらに彼の経歴を辿ると、ブルース氏のもとで長年修行を積み、その教えを今も忠実に守りながら醸造に取り組んでいることが分かった。
仁木町のワインシーンを牽引し、鹿取さんとともに勉強会を開催するなど、地域のワイン文化を育てるリーダー的存在。
その上、ワインの味はもちろんのこと、エチケットデザインやワイナリーの建築美、さらにはカフェ運営など、センスにおいても際立っていた。
これは単なるワイン造りにとどまらない、地域を象徴するヴィニロンの誕生を予感させた。
新たな挑戦── コンクリートタンク導入へ
そんな彼が、新たなワイナリーの増設を進めると知ったのは2022年。
これはまさにチャンスだった。
コンクリートタンクの特性が、彼の醸造哲学に合うのではないか?
そう考え、独断で本間さんに試してもらう話を進めることにした。
しかし、順調に進むと思われたプロジェクトに、思わぬ壁が立ちはだかる。
2023年、本来なら新ワイナリーが完成し、タンクが納入されるはずだった。
しかし、建設会社の突然の倒産。
それによって、すべての計画が一年遅れとなった。
それでも、本間さんの情熱は揺るがなかった。
一昨年、福島RDMセンターグランドオープンの際のインタビューでは、コンクリート醸造の可能性について熱く語ってくれた。
また、全国的にワインイベントを展開し、新宿高島屋の北海道ワイン展では一番に売り切れるほどの人気を誇る彼のワイン。
この影響力を考えれば、AIZAWAにとっても仁木・余市に進出する上で、このワイナリーが果たす役割は計り知れないと確信した。
ワイナリーと共に生まれた、新たな空間
2024年、ようやく完成したワイナリーに、AIZAWAのコンクリートタンクが導入された。
ワイナリーの雰囲気に合わせ、タンクには黒色の塗装が施され、スタイリッシュな空間に溶け込んだ。
さらに、本間ご夫妻はワイナリーの枠を超え、訪れる人々がゆったりと滞在し、ワインとともに景観を楽しめる空間を創り上げた。
夏の間はワイナリー併設のカフェがオープンし、訪れた人々が気軽に過ごせる場所を提供。
また、コンドミニアムや宿泊施設も新設され、
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6名ほどが泊まれる広い部屋
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2~4名向けのコンパクトな客室
といった、多様なニーズに応える設計となっている。
ゲストは持ち込んだ食材で料理を楽しんだり、バルコニーで焼肉をしながら北海道仁木町の壮大な景色を、そしてドメーヌ・ブレスの美味しいワインと美しい畑の景色を堪能することができる。
また、ワイナリーでは地元のケータリングサービスの紹介も行い、滞在する人々が自由に食の楽しみを広げられるよう工夫されている。
この場は単なる宿泊施設ではなく、ワインとともに過ごす特別な時間を提供する場所として、大きな魅力を放っている。
全国から訪れるワイン愛好家たちに、このタンクを見てもらうため、本間ご夫妻も様々な工夫を凝らしてくれている。
彼らの感性と技術が、コンクリートタンクと融合し、どのようなワインが生まれるのか──。
AIZAWAにとっても、この導入はただの納品ではない。
北海道のワイン文化の未来に関わる一歩。
そして、それを支えるワイナリーとともに、さらなる可能性を探る挑戦が始まった。






